2022年05月26日

ホトトギスの茶事

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茶の湯における茶事は、一つの大成であります。

自らが茶事を開いてて亭主になったり、或いは客として茶事に招かれ楽しい時間を過ごす事が出来る。と言う方向へ向かう為に普段の稽古を積んでおります。

茶事にはその開催される時間、季節、趣旨などにより色んな形式がありますが、
今回は最も正式で、ポピュラーな「風炉正午の茶事」を、奈良市三条町にあります、サロン三五夜さんにて行いました。



私の師匠は、普段、千家の某宗匠に長年付いておられ、かつ、毎月表千家家元にも直に稽古に通いながら、「茶事の神様」と称された、故数江瓢鮎子先生にも茶事の弟子入りをされており、毎月新幹線に乗って東京まで茶事の稽古にも行かれていました。

その私の師匠が、毎月、自分が習って来た事をそっくりそのまま、ご自宅で茶事をされ、私達にも教えてくださっておりまして、
私自身若い時に、客としても亭主としても数えきれないくらい、(おそらく数十回)先生のご自宅で茶事の経験をさせて頂きました。

また、それがこうじて、私は自分の家でも友人を招き学生時代から茶事をしております。
当時は、足らない道具は先生からお稽古用の物をお借りして、茶事の当日はまだ夜も明けきらないうちに、自動車で奈良の山深くまで湧水を汲みに行きその水を使うなど、今から思えば若いからこそできたものだなあ。と思います。

それが現在、このように、年に数回も茶事をし、皆様に喜んで頂けるようになりました。

さて、今回開きました
「ホトトギスの茶事」のお話しに戻しますと、
今回の茶事は、その名の通りテーマはホトトギス。
生徒さんが客や亭主役を役割分担して務める、稽古茶事と致しましたから、普通の正午の茶事では物足りないと思い、茶事の中に「軸飾り」を入れました。

ちょうど、江戸時代前期の皇族 伏見宮貞清親王様の軸が私どもにあり、その軸の内容が、ホトトギス(時鳥)の和歌でありました。

宮様の軸。と言う以外には、私どもにとりましては何の由緒とてありませんが、
宮様と言うだけで、立派に軸は飾りの大義名分は立つと考えました。

亭主役を務めたベテランのE島さん、N村さんお2人は立派に亭主を務められ、また、茶事に関する技もさらに磨かれた事と思います。

また、客5人の中で今回お茶事デビューをした生徒さんが3人おられました。
この茶事の経験により、そのお3人もこれからお茶のお稽古に対する考え方や取り組み方も少し変わられて来るかも知れません。

また、私の茶事の場合、社中におります調理師のN田君が素晴らしい料金を作ってくれます。
彼は、良いプロの腕を持ちながらも、私の意見にもしっかり耳を傾けて下さり、私があちらこちらで食べ歩いたり、経験した料理の中で印象に残った事を伝えると、誠に素直に快く料理に反映し、その度に腕を上げてくれます。

この度リニューアルしたばかりの新しい三五夜さんの厨房も正式にはこの茶事が使い始め。
まさに、夏の訪れの時を告げる時鳥(ホトトギス)の名に相応しい茶事でありました。

時鳥 鳴き方遠くながむれば
雲にかかるる あけぼのの空
貞清親王

堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
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2022年05月25日

東京茶の湯の旅その4

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一昨日、奈良の茶の湯サロン三五夜で、「ホトトギスの茶事」と称する茶事をやっておりまして、なかなかブログを書くまで手が回らず
東京茶の湯の旅その3からすこし日にちが空いてしまいました^_^、、

東京茶の湯の旅のお話、この回にて最終となります。
最後までお付き合い頂き誠に有難う御座います。

3日目(最終日)の朝を迎えまして、朝食もそこそこに、表参道にあります 根津美術館にお邪魔致しました。

今回の東京茶の湯の旅は2つの大きな目的がありました。
その一つは初日の江上先生の府中にある龍生軒での茶会、そしてもう一つは、
根津美術館
「燕子花屏風の茶会特別展」でありました。

根津美術館は、表参道から徒歩数分にある美術館で実業家にして数奇者でもある根津嘉一郎がそのコレクションの礎を築きました。

普段も茶の湯に関連のある品が多く展示され、庭園も池泉回遊式と言うよりは、巨大な露地の形式になっており、数多くの茶室、コレクションの灯籠など見事に配置されています。
コロナ前までは、大師会はじめ沢山の茶会も催されておりました。
そろそろ、茶会も復活の兆しも見え隠れしております。

根津嘉一郎が昭和12年5月に、政財界の友人を招き、燕子花屏風絵の披露を兼ねての茶会が開かれ、その茶会が「燕子花図屏風の茶会」と後世に名の残る茶会となりました。

今回の特別展では、その時の茶会をそのまま再現したかのように、用いた道具を全て展示されていた素晴らしいものでした。

美術館もこのところ、入館もwebでの事前予約制の場合もあり、根津美術館もそうでありました。

緊張のあまり、予約の時間よりもかなり早く表に出るに付きましたので、美術館周辺を少し散策しておりました。
お天気も昨日とは打って変わり、五月晴れの下、私のような田舎者には場違いの表参道の高級感に溢れた街はあまりにも目に眩しく映ります。

ブランチを頂こうにも、知らない店ばかりで困っておりまして、駅に一度戻りましたら駅中にとても品の良いイートスペースがありまして、私はサンドイッチのセットを頂きました。
そのイートスペースには他に色んな国の色んな料理もありまして、とても食べやすい雰囲気でした。


お値段もそこそこ、お味は、表参道だけに申し分ございません!

さて、美術館に入館し、展示物一つ一つに感動した後は、庭に出まして、茶室「披錦斎」で行うれている呈茶赤へ向かいました。

入館とは別料金1,000円で、生菓子付きの薄茶を一服、茶室で点出しで頂けます。
この呈茶席は、今回の特別展だけだそうです。

点出しのお茶でしたが、茶室に上がり座って頂いておりますと、根津嘉一郎の気持ちに少し近ずけたような感じがするから不思議です。

起伏のある地形を生かしての露地で、茶室から外を眺めましたら、滴り落ちそうな新緑が5月の風にゆられキラキラ輝いています。
東京都心にいながら、山中深い庵にいるかのようでした。
これぞまさに、市中の山居。 私も
奈良へ帰ったら、なお一層庭の手入れを怠らず頑張らねば!と思いました。

根津美術館にはロッカーも沢山あり、小さな荷物は一階のロッカーを使いますが、
旅行者などの大きな荷物用としても、地下にロッカーがあります。
流石に全国に名の知れた美術館だけにその辺りはキチンとされております。

後ろ髪を引かれながら、美術館を後に帰路へと付きました。

東京駅で若干のお土産を買う時間を計算し、新幹線の切符を買いました。

乗車し荷物を置いてから、発車までの間に御所に向かい一礼を拝しました。

今回の東京茶の湯の旅、本当過密スケジュールでありましたが、かなり私の茶の湯の糧になりました。
沢山学んだ事を、お稽古や自分の茶人としての生き方に活かして行きたいと思います。

旅から帰った数日後に開いたホトトギスの茶事は、今回の旅行で学んだ事をかなり意識したと思います。

その茶事についても、また、このブログでも紹介出来れば嬉しく思いますが、これから月末の週、月初の週はお稽古に追われる過酷な日々が待っております。

インスタグラムの方も時々更新しておりますので、そちらも覗くいてみて下さい。

花の都、東京。
また行きます。。

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2022年05月21日

東京茶の湯の旅その3

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東京の旅、内容の濃かった1日目が終わり2日目の朝を迎えてました。

泊まり慣れたホテルであるし、昨夜の疲れもあってか久しぶりにゆっくり熟睡出来たように思いました。

朝目が覚めるやいなやベッドの枕元にある自動カーテンのボタンを押し、内、外のカーテンを全開に開きますと、曇った空模様で日差しは無いものの、いつもと違う風景を目にし、ここへ来てやっと上京した実感が湧いてきました。

旅行の度にいつも思うのですが、私が本当に旅の実感を得るのは、その地で初めての朝を迎えた時であります。

本来なら、帝国ホテルの醍醐味であります朝食バイキングを楽しむ所でありますが、コロナ禍にて未だビュッフェ形式の朝食は再開されず、
2日目の朝は、ホテル内1階にありますカジュアルレストラン
パークサイドダイナーで定番の朝食セットを頂きました。
パークサイドブレックファーストと称するセットでありましたが、流石にパンもオムレツも、帝国ホテルならではの高いクゥオリティーで満足致しました。

東京2日目は、生憎の月曜日。
月曜日と言えば、美術館関係の殆どは休館と決まっております。

しかし、その事を逆手にとり、
今まで行きたい、行きたいと表千家ながら行った今年が無かった赤坂迎賓館の見学に行きました。
見学には予め、ウェブでの予約が必要かです。

朝食後、日比谷から地下鉄を乗り継いて、四ツ谷駅に到着しました。

予約の時間までまだあるので、まず付近を散策致しました。

四ツ谷は、その地名だけに、かなり起伏の激しい所で、大変面白い地形でありましたが、道端にも色んな植物があり、東京らしからぬ雰囲気すらありました。

少し前に迎賓館に入り、署名欄に住所、名前を記入したら、さながら国際線の飛行機に搭乗する時のようなボディチェックを受けました。

やはり、国の大切は迎賓館だけに、そこを見学させて頂くのは大変です。

しかし、係の職員の方や、守衛さん、ボランティアガイドの方々が皆さまとても親切で、気持ち良く見学出来ました。

本館を見て、それから和風別館み見て、最後に茶室棟にも案内されて、茶室も拝見出来ました。

迎賓館の見学を済ませまして、銀座に移動し呉服など多少物色致しまして^_^!

夕食は、新宿東口にあります、茶懐石の料亭
柿伝に行きました。

柿伝は、お茶の世界では有名な料亭で、9階は、3つの茶室と露地
8階には椅子席、地下2階にはギャラリーもありお茶に関わりのある作家の展示もされております。

私がこの柿伝に特別な思いがあるのは、私の師匠が、当時(昭和の終わり頃)お茶事の神様とまで世間で表された、数江瓢念子先生の茶事の弟子弟子ありまして、数江先生の茶事の口座が柿伝で行われていま事によります。

先生は毎月、数江先生の茶事を習っては、その都度同じような茶事を奈良で開き、私どもに教えて下さいました。
その回数たるや、数十回に及びます。

私が今日、お茶事を開く事が出来ますのも、そのおかげであります。

先生が亡くなってからも、私は時々柿伝に食事に行きます。

9階には、表千家残月亭写、十畳の間、即中斎好みの三畳飯台目の一与庵。の3つの茶室があります。
今回は、今まで入った事の無い、十畳の間に案内して下さいました。

十畳の時は、広さ9尺もある大きな床に、兼中斎宗匠の横物、「薫風自南来」がかかり、掛花入には、令法などの季節の花が入り、一般の日本料理店とは違い、本当に茶人の目を楽しませてくれます。

お料理は、言うまでも無く初夏の風情たっぷりのお料理であります。
味付けは、やはり茶懐石の店らしく、薄味でいて、昆布が少し強めの出汁がキチンと効いておりました。

茶の湯のゾウケイの浅い料亭の料理は、やたらカツオが強く、一口目は、美味しい。と感じますが、例えば煮物椀の出しなどは、途中で飽きてしまい、最後の方は美味しくありません。

しかしその点は、柿伝さんは大丈夫!

最後の最後までどのお料理も美味しく頂戴できます。

また、驚きましたのは、最後に領収書をお願いしましたら、いつも予約は、堂後 と名字だけか、堂後雅昭と本名でしているのに、
領収書の宛名が、堂後宗邑となっておりました。
時々しか利用していないのに、宗名をキチンと把握されており、感激致しました。

食後は、せっかくの新宿界隈でございましたので、場を変え、多少のお酒を頂き、遅遅に小雨降る新宿を後にホテルに帰りました。

明日は、今回の旅行の二番目に楽しみにしていたイベントが待っております!

そのお話は、その4でしたいと思いますが、

明日は、奈良のサロン三五夜にて、「ホトトギスの茶事」と称して、初風炉の茶事を致します。
きっと明日の茶事も数江おお先生の魂の少しは受け継いだ茶事になれば。と願っております。

ホトトギスの茶事のお話もいつかさせて頂きます。

と言う事で、明日に備えて早寝致しますので、
東京茶の湯の旅その4は、またのお楽しみにて、
今宵はこの辺りでお仕舞いに致します。

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posted by 堂後茶道教室 at 22:57| 日記
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