2022年05月20日

東京茶の湯の旅その2

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夕刻、常宿であります帝国ホテルに到着しました。

数年前に、たまたま安い旅行サイトで見つけ帝国ホテルに泊まってから、ホテルマンのサービス、ホテルのクオリティの高さ、立地の良さなど、茶人である私にとりまして、学ぶ点が山ほどあり
それ以降、東京では必ずこのホテルを利用し、癒されながら大いに勉強しております。
茶の湯は、もてなしの心を鍛え、養うのが大きな目的の一つであります。
質の良いホテルの従業員さんの立ち居振る舞いには本当に毎回学ぶべき点は沢山あります。

帝国ホテル新館は、2024年、本館は2030年頃に立て替えがあるそうで、いまの建物にあと何回泊まれることでしょうか。

さて、部屋に案内され、軽くシャワーを浴びて、着替えてから夕食の時間です。

今日は、思いがけず幸せなサプライズがあり少し食事を頂きましたが、やはり、移動し小腹が空きましたし、このまま就寝まで何も食べないのも心細いので、
軽く蕎麦でも!と思い、久しぶりに、神田にあります
「かんだやぶそば」に行きました。

帝国ホテルに近い山手線有楽町からほんの数駅で神田駅に着きます。
神田駅からかんだやぶそばまでは徒歩5分ほどです。

かんだやぶそばは、創業1880年(明治13年)で140年以上を誇る老舗で、薮蕎麦の総本家であります。

私は、東京のそばつゆの味が好きです。

本当の味をご存知で無い方は、
やたら東京の出汁は醤油臭いとは、辛いとかおっしゃる方がいらっしゃいますが、
それは、安ものの店では時にはそんな味もあるかも知れませんが、キチンとした店の味はそんな事はありません。

濃口醤油を使っておられて、濃い色ではありますが、私達には逆に新鮮に美味しそうに見えますし、決して辛くありません。
むしろ、ザラメ砂糖を使っているかのような(実際に使っているかどうかは知りません。^_^!)深い甘みもあり、関西では味わえない旨味があります。

因みに、阪急梅田店の12階に「やぶそば」があり、この店は、「かんだやぶそば」より正式にのれん分けのされた店で、大阪でも同じような味が楽しめます。

かんだやぶそばは、2013年(平成25年)に火災にあってしまい現在の店は新しいですが、火災前は、東京都選定歴史的建造物にしていされており、趣きのある建物でありました。

お蕎麦を頂いたら小雨が降り出し、しっとりと雨に濡れ風情ある神田の街をあとにホテルに戻りました。

ホテルの窓から丁度JR山手線や雨に霞む東京の夜景が見えました。
今日一日の楽しかった事を回想しながら、明日、明後日の予定に胸を膨らませ、東京茶の湯の旅一日目は暮れゆきました。

堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
posted by 堂後茶道教室 at 01:02| 日記

2022年05月19日

東京茶の湯の旅その1

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5月8日〜10日の2泊3日で東京方面に茶の湯の旅に出ていました。

旅の内容は、ダイジェストでインスタグラムには投稿しておりましたが、もう少し詳しい情報を教えて欲しい。とのご意見も頂戴しましたので、約10日遅れではございますが、記憶に残っている範囲でお話しさせて頂きたいと思います。

そもそも、今回の東京行きは、「ある茶会」に行きたい。と言う気持ちと、丁度その前後お稽古が無かった偶然がきっかけとなり急遽決まった旅でありました。

その「ある茶会」と言いますのは、去る三月にサロン三五夜に於いて茶会を開いて下さいました、
肥後古流の若きエース江上大輔さんが、毎月第二日曜日に東京府中にある茶室で月釜をされており、その茶会の事であります。

肥後古流と言う茶道の流派はご存知で無い方もいらっしると思いますが、熊本に古くからあり千利休とも関わりの深く、熊本藩の家老家が家元を務められ とても由緒がございます。

東京府中にある茶室は、「龍生軒」と言いまして、三畳半に原叟床の付いた小間と、表千家松風楼写の広間からなり、京王線府中から徒歩5分以内の好立地な場所にあります。
因みに、京王線府中とは、新宿から30分弱です。
中村昌生先生設計の龍生軒は、鉄筋コンクリートのマンションの中にありながら、風情のある佇まいでキチンとした露地もあり、正式な茶事もされております。

5月8日(日)は朝から9時に京都駅から新幹線に乗り、品川駅下車し、途中昼食をとりまして午後1時のお席に入る事が出来ました。

先ずは、待合として使われている6畳ほどの立礼席に通されました。

暫くして席の用意が出来たとの事にて、先ずは小間にて濃茶を頂きました。
床には、表千家即中斎の軸を掛けて下さり、御亭主の配慮が有り難く感じます。
肥後古流独特の、泡のあるお濃茶は、今回初めてでしたが、聞きしに勝る美味しさに感動です。

続いて広間では、薄茶。
武家茶の肥後古流だけに、琵琶台には鎧が飾られておりました。
長板に二つ飾りのスッキリとしたお道具に、表千家而妙斎の書き付けのある、須恵窯の朝鮮唐津の水指をお使い下さり、こちらでも私どもへのご配慮に心打たれました。

さらに、もっと感動したのは、最後の席の後で、広間にて手料理とお酒の席が設けられ私達も、茶会のスタッフの方々に混じってお相伴させて頂きました。

江上様の懐の広さと、心尽くしに本当に良い旅の思い出が一つできました。

暫し楽しい酒宴にて歓談ののち、宿に向かいました。
今回の宿も毎回東京の常宿であります、帝国ホテルであります。

京王線府中より新宿、新宿より山手線に乗り換え、有楽町で下車し、そのまま宿へ参りました。

今回の東京茶の湯の旅、あと2日間ありますが、一回のブログには書ききれませんので、続きは次回に送らせていただきます。

お楽しみに。

堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
posted by 堂後茶道教室 at 23:53| 日記

2022年05月04日

都わすれ

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5月になりまた。
私どもでは、だいたい「立夏」の頃に茶室の設えを炉から風炉かえるように致しますが、最近ではきり良く 5月に入ったら第1回目のお稽古から風炉にしております。

本年の風炉の第1回目のお稽古は、サロン三五夜のプレミアム教室でありました。
プレミアム茶道は、毎月第一(日)、(火)、(金)となっておりますので、その様になる事が多いようです。

風炉の初めの頃、「初風炉」では、清々しい初夏の道具や、端午の節句に因んだ道具が多く見られます。
中でも、お軸は、「薫風自南来」が定番中の定番のようです。
「薫風自南来」の意味については、当ブログでもかなり以前ですがお話ししておりましたので、今日はそのお軸と共に、定番中の定番の茶花、「ミヤコワスレ」について簡単にお話ししたいと思います。
カタカナのミヤコワスレが正式な名前だと聞いております。(因みに、お花の名前は正式には漢字は当てず、カタカナ表記らしいですね)
漢字で当てると、「都わすれ」となります。

この花は、キク科の多年草でおよそ4月〜6月頃に咲く山野草であります。

茶花として茶人達の愛玩に叶ったのは、江戸時代からだそうです。

花そのもの歴史は古く、その名の由来は、鎌倉時代の順徳天皇に遡ります。

歴史で習った、「承久の乱」で大敗をきした順徳天皇(上皇)は、佐渡に流されます。
その時に、都への思いを忘れる為に歌を詠み、この花へ託したそうです。

いかにして 契りおきけむ 白菊を
みやこわすれと 名づくるも憂し
順徳天皇

時々、茶席で都わすれの花の話題がでたら、名前の由来を伊勢物語からだと言う方もおいでになりますが、
どうも、そちらよりも、順徳天皇の方の説が有力なようです。

花入は、俗に「海上り」と言われる花入で数百年前に海中に沈んだ貿易船から上がった物です。おそらく、鎌倉末期から室町時代に大陸から日本へ向けて積み込まれた陶磁器の一つであったと思います。
肌に付着しているフジツボが「海上り」を語っています。

敷いております板は、いかにも古美術のサロン三五夜さんらしく、朽ちた古寺の廃材の板であろうと思われます。
また、折を見て、古い板のお話しも出来れば。と思います。

お軸は、大徳寺弧篷庵の先住の小堀卓厳和尚の筆によります。
和尚は、大徳寺住持(大徳寺全体の住職のよう立場)第525世もお務めになられました。

明日、明後日は、大森教室の初風炉のお稽古があり今週は、土曜日まで休み無くお稽古が続きますが都わすれに負けないように頑張りたいと思います^_^!

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posted by 堂後茶道教室 at 00:11| 日記
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