5月になりまた。
私どもでは、だいたい「立夏」の頃に茶室の設えを炉から風炉かえるように致しますが、最近ではきり良く 5月に入ったら第1回目のお稽古から風炉にしております。
本年の風炉の第1回目のお稽古は、サロン三五夜のプレミアム教室でありました。
プレミアム茶道は、毎月第一(日)、(火)、(金)となっておりますので、その様になる事が多いようです。
風炉の初めの頃、「初風炉」では、清々しい初夏の道具や、端午の節句に因んだ道具が多く見られます。
中でも、お軸は、「薫風自南来」が定番中の定番のようです。
「薫風自南来」の意味については、当ブログでもかなり以前ですがお話ししておりましたので、今日はそのお軸と共に、定番中の定番の茶花、「ミヤコワスレ」について簡単にお話ししたいと思います。
カタカナのミヤコワスレが正式な名前だと聞いております。(因みに、お花の名前は正式には漢字は当てず、カタカナ表記らしいですね)
漢字で当てると、「都わすれ」となります。
この花は、キク科の多年草でおよそ4月〜6月頃に咲く山野草であります。
茶花として茶人達の愛玩に叶ったのは、江戸時代からだそうです。
花そのもの歴史は古く、その名の由来は、鎌倉時代の順徳天皇に遡ります。
歴史で習った、「承久の乱」で大敗をきした順徳天皇(上皇)は、佐渡に流されます。
その時に、都への思いを忘れる為に歌を詠み、この花へ託したそうです。
いかにして 契りおきけむ 白菊を
みやこわすれと 名づくるも憂し
順徳天皇
時々、茶席で都わすれの花の話題がでたら、名前の由来を伊勢物語からだと言う方もおいでになりますが、
どうも、そちらよりも、順徳天皇の方の説が有力なようです。
花入は、俗に「海上り」と言われる花入で数百年前に海中に沈んだ貿易船から上がった物です。おそらく、鎌倉末期から室町時代に大陸から日本へ向けて積み込まれた陶磁器の一つであったと思います。
肌に付着しているフジツボが「海上り」を語っています。
敷いております板は、いかにも古美術のサロン三五夜さんらしく、朽ちた古寺の廃材の板であろうと思われます。
また、折を見て、古い板のお話しも出来れば。と思います。
お軸は、大徳寺弧篷庵の先住の小堀卓厳和尚の筆によります。
和尚は、大徳寺住持(大徳寺全体の住職のよう立場)第525世もお務めになられました。
明日、明後日は、大森教室の初風炉のお稽古があり今週は、土曜日まで休み無くお稽古が続きますが都わすれに負けないように頑張りたいと思います^_^!
堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org