昨年はコロナの感性面から、一昨年は記録的猛暑で食材の傷みの懸念から2年見合わせましたかが、その間、自身でも色々と他家の茶事におよばれし、茶事に関する感染予防、安全対策を参考に知恵を絞り、自らのお茶事にたどり着きました。
ご存知の通り、お茶事に於いて感染対策、衛生対策に最もきを配るのが、懐石であります。
しかしながら、この懐石を省略してしまうとお茶事ではなくなり、「お茶会」になります。
そこて、懐石はキチンとやるものの、内容に少し工夫を加ました。
先ず、連客同士の取り回しは一切行いません。
朝茶の事にて、焼物は無いものの、和物、炊き合わせ、酒肴、香の物などの「鉢物」は全て個別に銘々器に入れ、その銘々器を何度も出していたら時間的に長引くので、縁高に三種くらい入れ、ワンプレート方式に出しました。
また、飯器は回さず、飯椀を人数分もう1組出して、水屋から飯を装って運び、初めの飯椀と入れ替えました。
また、二度目の飯器も当然回しませんから、初めの飯椀を水屋で清め、飯を装い、同じ事を繰り返します。
汁替も同じで、汁椀をもう1組出します。
汁替は二回目は無いものの、湯斗の代わりに、初めに引いた汁椀を清め、湯の子と湯を入れて銘々に出しました。
八寸は、全て亭主が取り分けするので、大丈夫と致しましたが、千鳥の杯は、正客の杯をお借りせず、亭主は別杯の持出をし、銘々の客も自分の杯を使いました。
茶事における懐石は、多少話しも盛り上がり、賑やかになるものでしたが、今回は頂く時は静かに頂き、お話しする時は、マスクをした上で静かにお話しするようにしておりました。
幸いにして三五夜さんの小間の茶室「日月」は、冷房をかけながら 戸や障子を解放しても、縁側や、屋内型露地に囲まれており冷気があまり逃げず、炎天下の中も広く通気をしながらも涼しく茶事を進行する事が出来ます。
逆に真冬の暖房でも同じ事が言えますので、極寒の「暁の茶事」や、「夜咄」も出来るな。と思いました。
お稽古の茶事なので、道具もそれほどほどに気張る事は致しませんでしたが、夏の山、夏の海に因んだ涼を感じる道具組みにて、皆さんには喜んで頂けました。
また、1番心配したのはお花です。
私は朝茶では槿を良く使います。
家で行うのなら開いた槿をばっと手折って生ければすみますが、場所の違う三五夜さんだけに前日に蕾の付いた枝を何本も持ち込み、その日の朝に現地で開いた花を行ける試みをしました。
丁度形よく開いてくれたのが、二輪あったので、ホッと致しましま。
三五夜さんで用意頂いた、現代作家のガラスの花入を氷柱に見立ましたら、後座の席の太平を涼しげに飾ってくれました。
お料理は、今回は私と同じ表千家の K先生にご協力頂きました。
手の込んだ心の籠ったお料理で、連客一同その味に感動しておりました。
私達も、茶事が終わってからお相伴致しました。
プロ級のお味でとても美味しかったです^_^!
内容を工夫したり、世間ではワクチンの接種率を上がって来たりで、これから少しずつ茶事も復活してくると思います。
私もお稽古の合間を縫って、お茶の真髄である茶事をこれからは少しずつやって行きたいと思います。
堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
【日記の最新記事】