企業によれば、今年は最大10連休のところもあるとか聞いております。
私のような「市中の山居」で茶の湯の世界でのみ生きている者はカレンダーはあまり関係の無い生活を送っております。
まさに、「山中無暦日」(さんちゅに れきじつ なし)であります。
自宅の大森教室やサロン三五夜の教室のお稽古が5月7日の土曜日までビッシリ詰まっております。
しかし連休初日の今日は、
かねてより楽しみにしておりました、三五夜教室の生徒さんのKさんのご自宅の茶室開きの茶事に呼ばれて行ってまいりました。
連客は、同じく三五夜教室のSさん親子と、三五夜店主の黒田氏、それに三五夜の月釜のお手伝いを時々されていて、大森教室の生徒さんでもあるA君の合わせて5人でした。
今日の茶室開きの茶事を、亭主のKさんがお一人でもてなされました。
ここで、簡単にkさんのお宅の説明をさせて頂きますと、
そのお宅は、東大寺転害門のすぐ近くにある元は築年数がわからないくらい古い民家でありました。
駅からは少し遠いものの、耳をすませれば東大寺の鐘も聞こえるくらいのところで周囲は古い町家ばかりでとても静かで環境は抜群に良く、茶の湯をやるのに、打って付けの場所です。
因みに東大寺の鐘は、別名「奈良太郎」と言われ、南都奈良八景の一つに数えられるくらい美しい音色であります。
以前からお茶室を持つ事を望んでおられたKさんは、その古民家購入され、フルリノベーションされて、素晴らしい数寄屋風の町家にされました。
一階には、広間の茶室、小間風の待合があり、露地も美しく、使い勝手よく作られております。
何より、まだ完成して数ヶ月しか経っていないにもかかわらず、露地の苔の色が見事で、kさんのお手入れがいかに素晴らしいかが良くわかります。
今日は生憎の雨にて、中立は露地に降りる事は省略し、広間の縁側から雨滴に輝く露地を拝見しておりました。
お料理は、Kさん御贔屓の料亭の松花堂をご用意頂きましたが、お椀の海老真蒸はkさんのお手作り。メチャ美味しい^_^!
普段のお稽古もしっかりなさるKさんではありますが、お料理もこれだけお出来になられ、びっくり致しました。
茶事は、私の茶事にて客のご経験はあるものの、慣れない亭主、それも1人亭主で完璧にお出来になり また、お道具もキチンと筋の通った素晴らしい物を沢山お使い下さり、眼福の極みでありました。
茶の湯の究極の楽しみは茶事にあると言われますが、今日は久々に良い茶事に呼ばれました。
私の「連休」はこの1日だけでしたが、本当に10日分の楽しみを味わったように思います。
堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
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