「ちょっと美味しいもん」シリーズは、投稿数も結構ありまして、ご存知の方も多いと存じます。
その他に、「茶の湯それダメ」シリーズなどあるのですが、それらのシリーズはたいてい1回か2回で止まっている始末です(≧∇≦)
この度、久々に「茶の湯都市伝説」と言う新しいシリーズを思い付いたのですが、さてさてこのシリーズも続くかどうかわかりません(*´꒳`*)
しかし、夏の終わりのつれづれに、私の聞いた 茶の湯の都市伝説を一つお話しさせていただきます。
まず、お茶のお稽古をはじめると客の作法を学びます。
そして、大抵は薄茶の頂き方のお稽古を致します。
この薄茶の頂き方ですが、はじめにヘリ外正面にお茶碗が置かれます。
客は、そのお茶碗を右手で取り上げて左掌に乗せ(あしらって)、正客(又は上座に座っている客)との間、ヘリ内に置き、お礼をします。
お礼の時、ある言葉も同時に発します。
その言葉が、今回のテーマにもなっている ある都市伝説を産みました。
「ある言葉」は、ひと昔前までは「もう一服如何ですか?」と言っていました。
これは、既に一服頂いていよう先客に対しての気遣いの言葉であり、本心で進めている訳ではありません。
言わば、究極の社交辞令のようなものです。
しかるに、昨今は若い方を中心に「社交辞令」の習慣がうすれたのか、或いは、素直に受け取る方が多いのか、
「もう一服如何ですか?」と言われた先客が「有難うございます」と本当にその方のお茶を頂かれたそうです。
以降、その都市伝説が一人歩きし、現在では「もう一服如何ですか?」とは言わず「お相伴させて頂きます」と言うようにお稽古をしております。
堂後茶道教室でも、その様に指導はしておりますが、度々当ブログでも申し上げている通り お茶は総合芸術であり、茶席での言葉一つ一つにも大切な教えや、人間性を高める為に必要な答えが沢山あります。
言わば、「もう一服如何ですか?」の言葉の中にも本当に大切な教えが詰まっておりました。
しかし、人の考え方、社会の変化やライフスタイルの変貌とともに、茶の湯における「学び」もそれに対応せざる負えないのでしょうね。
もし、その都市伝説の主人公が私として、「もう一服如何ですか?」と進めた先客が本当に私のお茶を飲んでしまったらどうするかな?と考えます。
ご亭主に「先客に勧めたら本当に飲んだから、私にもう一服ください!」と言うのか、又は泣き寝入りするか。
皆さんならどうしますか?
堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
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