もちろん、夏な夏にしか出来ないお茶の楽しみ方も沢山ありますが、秋になり少し涼しくなりますとお茶楽しいアイテムは格段に多くなります。
夏は日中の暑い時間を避けて比較的気温の低い早朝に「朝茶」と称して清々しい清涼の気分を味わいます。
秋になりますと、お茶の楽しむ時間帯は、早朝のみならず日中、昼間、夕ざり、或いは夜とて楽しみは広がります。
秋と一口に申しましても、初秋と晩秋では風情が異なりますが、特に初秋は、夏の「涼やか」に対して「華やか」になるような気が致します。
お菓子はには、芋や栗など山の恵みが沢山に使われますし、懐石料理にも変化が出て参ります。香り豊かな青柚に漬け込まれた「柚庵焼」や松茸も出てまいります。
夜になりますと、露地では虫がオーケストラを演奏してくれますし、お道具の柄や、花入には秋の七草はじめ、夏の間じっくり充電していた草花が一気に咲きます。
9月なって間もなく「白露」(はくろ)がやって参ります。
2022年の白露は、9月8日だそうで、白露とは二十四節気の一つです。
1年の暦を24に分けた一つの日であります。
白露の次は秋分。
即ち、白露は秋の前の最後の節気となります。
白露の意味は、霜が降り露が白く輝くように見える。と言うそうです。
私どもの教室では、9月になり白露の頃に一つの歌を持った虫の音と言う茶杓を稽古に使っております。
その歌は、
爽やかなる 玉とぬくべき 糸はぎの
露をちからに 虫の鳴くらん
となっております。
私なりにこの歌を解釈いたしますと、、
糸萩に付いている白露を命の水に、虫が精一杯鳴いている秋の夜の景色が思い浮かびます。
これから日に日に変化して行く秋の姿を楽しみながら茶の湯を楽しみたいと思っております。
露をちからに
堂後茶道教室http://www.dogo-sado.jpn.org
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