誠にクラッシックな形の懐石料理を頂戴し、素晴らしいお菓子も頂戴し、その場で一旦休息となりました。
手洗いを済ませる方、衣服を正す方もいらっしゃる中 暫く致しますと全員無言のまま着座しておりますと、、、
何とも厳かで、格調高い銅羅の音が、ボーンと低く静かに響いて参りました。
一同椅子から立ち上がり、それぞれの流儀の作法で心静かに平伏し、銅羅の音を最後まで拝聴致します。
私どもの千家流では、銅羅の音は、大小大小中中大。と、7回打たれますが、速水流の場合は何回であったか残念ながら数える事は出来ませんでした。
ただただ、銅羅の音が素晴らしいく聴き入っておりました^_^!
銅羅の音が終わりましたら、一旦椅子に座り戻り、一呼吸の後、正客から順に濃茶席へと移動致します。
濃茶席は、始めお炭点前を拝見した八畳広間です。
廊下伝いに入席致しますと、パチパチと炉の炭火が勢いよく熾っておりまして、釜からは湯気が高く上がっております。
床には、一条忠良卿の懐紙が掛けられ、立派な柳も垂れておりました。
懐紙は、春の日に詠まれた雪解けの水が小川に流れる様子を詠った和歌で、まさに、速水滌源居の「滌」しずく。であり庵号の由来となりし和歌であります。
速水流は、光格天皇、弟宮の聖護院宮に仕え、御所とはご縁の深い御家柄であります。
また、代々の党首は、歴代聖護院門跡より斎号を受けておられます。
一条忠良卿とは、幕末近くの一条家当主で関白も務められまして、
昭憲皇太后さまのお祖父様に当たられます。
厳守なる雰囲気に包まれて、お家元自らの濃茶点前。
正客に出された主茶碗を、次客の私が正客に取り次させて頂きましたら、
正客の大西先生が「私は毎年この主茶碗のお茶を頂いてらいますから、今年始めて来た堂後先生がおがりなさい。」「お家元、よろしいな。」とおっしゃって、お家元も快諾頂き、
なんと私が光栄にも、主茶碗でお濃茶を頂戴致しました。
あったたく、たっぷりと練られた美味しいお濃茶を有り難く頂戴致しました。
お茶碗は、またまたなんと!ノンコウの作。
銘がさざれ石と、これまた有り難い。
ノンコウとは、楽焼三代の名工で私も今までガラス越しにしか拝見した事ございません。
光栄に次ぐ光栄。感動に次ぐ感動。
大西先生本当に有難うございます。
興奮醒めやらぬ中、一旦露地おりまして、暫し外腰掛けにて休憩でございます。
次は、最後の薄茶席。
次号へ続く。
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2023年01月19日
速水滌源居初釜清々しき。その3
posted by 堂後茶道教室 at 23:54| 日記