2024年09月24日

月も雲間の無きは嫌にて候

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暑さ寒さも彼岸まで。と申しますが、まさにこのお彼岸を過ぎましてあの、殺○的猛暑も一息つきました。
夏の暑さを言い訳にサボっていた庭仕事も少しずつ再会しております。

さて、先日の9月17日は、中秋の名月でした。
この中秋の名月を「十五夜」と呼びますが、
名月は3回あるのをご存知ですか?
1度目は、9月中旬にある「十五夜」別名栗名月
2度目は、10月中旬にある「十三夜」別名芋名月
3度目は、11月中旬にある「十日夜」別名豆名月
であります。
2度目の十三夜まではご存知の方もいらっしゃいましょうが、実は3度目まであるのです。
考えますと、1年で満月の夜が12回あるのですからその内から3回くらい「名月」としても全く不思議な話しではありません。

今回の名月を見逃しても、後二回、チャンスがありますよ^_^!

私は、今年の十五夜は久しぶりに月見に出かけました。まず、東大寺二月堂前で行われます十七夜踊りです。この踊りは所謂盆踊りでして、奈良では最高の盆踊りとなると同時に私奈良町の者にとっては、浴衣姿で外出する最後の日となります。
すなわち、6月下旬の三枝祭り(奈良率川神社の通称ゆり祭)に浴衣を出して、9月17日の東大寺二月堂の十七夜踊りで浴衣はお仕舞いとなるのです。

十七夜踊りもそこそこに、その日の夜はもう一つのメインイベント、猿沢池の采女祭りにも行きました。
丁度、高円山に登る月な猿沢の池の面に美しく映っておりました。

そこて、一つ、先人の残した素晴らしい言葉を思い出しました。
それは、侘茶の祖 村田珠光の
「月も雲間の無きはは嫌にて候」です。
村田珠光とは、千利休の師匠である武野紹鷗のそのまた師匠である。とされ、
言わば、侘茶の祖であります。
呼び方は、色々と言われいますが、(むらたしゅこう)がどうも正しいようで(じゅこう)とは濁らないようです。

侘茶の祖が私の暮らす奈良の出身と言う事で、お茶で身を立てている私としても大変誇らしく思います。

さて、この「月も雲間の無きは嫌にて候」とは誠に素晴らしい言葉であります。

こうこうと輝く月よりも、叢雲にかかり合間から輝きを放つ月の方が美しい。と私は解釈致しております。



さて
不完全の美とは、それぞ「侘び寂び」の「侘び」の美的感覚の一つであろうと思います。

翌日、私も教室の軸を掛け変えました。
まず、待合には、「月」を
そして、本席には、 「雲無心」と書かれた軸です。
「雲無心」を書かれたのは興福寺多川乗俊貫主様であります。

この秋は、村田珠光の教えをひもときながら、「侘び寂び」とは何ぞや?と生徒の皆さんと一生に考えて参りたいと思います。

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2024年08月08日

この夏も暑さに負けず頑張っております。

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暑中お見舞い申し上げます。
今年は連日35度を超える猛暑続きで、皆さん大丈夫ですか?
私も実は、7月初ころ熱中症で少し体調を崩しかけました( ◠‿◠ )が、
しっかり栄養と水分、睡眠を取りながら回復し、何とか頑張っております。
お稽古の方も、堂後茶道教室、三五夜茶道教室共休まず8月もやっております。
先生によっては8月はお休みの教室もありますね。
そう言えば、家元の稽古場(三八稽古)も8月はお休みです。

さて、堂後茶道教室(大森教室)では、毎年8月の盛夏の一時期にお稽古場の設えを変え、立礼に致します。
立礼には特に季節の約束が無いのですが、立礼卓にピッタリのガラスの器を生徒さんのE島さんから数年前に頂戴して以来、そのガラスが夏に似つかわしく立礼に使いたいのと、立礼の方が涼しげにお点前出来ますので、この立礼の夏のお稽古が恒例行事のようになりました。

使っております立礼卓は、正式名称、即中斎好扇型立礼卓(通常.扇面卓)と申します。

戦後、洋間でのお茶や外人をもてなす時の為に即中斎宗匠が好まれました。

千家にはそれまでは立礼のスタイルは正式に無い。とされておりますが、実は、千家の茶匠、堀内家に、「タワフル」と呼ばれる立礼形式の卓が古くより存在しております。

堂後茶道教室で立礼稽古の恒例化したきっかけになった、ガラスの器のお話ですが、
これは、そもそもは今から約50年ほど前に大阪天満にあった「カメイガラス」と言う、当時日本最大のガラス問屋の商品であります。
西ドイツ製となっております。
50年前ですから、ベルリンの壁が崩壊する前の時代で、まさに、ドイツが東西に別れていた頃に作られた物ですね。
この器を頂戴した時に、水指に使うのが1番良いと思い、塗蓋を誂え 以降立礼や長板の点前に使っております。

年に一度しか立礼のお稽古をしませんが、ここ数年続けておりますと生徒さん達も随分点前が出来るようになってこられました。^_^!

そんなこんなで、楽しみながら暑い夏も生徒さん達と一緒に茶の湯を通して乗り切って行きたいと思います。

9月にはサロン三五夜さんで、茶事を2日間に亘り行いますし、
10月にも同三五夜さんで、古橋尚さんの茶会の手伝いもあります。

来たるべき茶の湯の本格シーズン秋に向けてエネルギーを蓄えたいと思います。

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2024年06月01日

奈良の休日

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堂後茶道教室は、土曜日、水曜日、木曜日それぞれ月に3日
月曜日は、月に1日お稽古がございます。
(詳しい時間は、堂後茶道教室のホームページのお稽古について をご参照下さい)

今日は土曜日でしたが、お稽古に当たらない日でありました。つまり、私にとりまして休日であります。

以前から楽しみにしておりました、奈良の茶道界の大御所、大西宗伸先生のお茶会に行ってまいりました。
大西先生は、流派を超えて、全国区で多くの様々なお茶人さんと交流があり、多くの茶人さんに慕われております。

かく申す私も大西先生ファンの1人で御座います。

奈良市水門町にあるオレンジカフェすいもん で行われたその茶会は、季節に相応しく紫陽花尽くしの時味溢れる設えに、奈良ゆかりのお道具、手作りのお菓子にて大変素晴らしいお席でした。
御濃茶と薄茶が振る舞われ、また、場をあらためて、手作りケーキとコーヒーまで付いておりました。

お茶会を終えまして、

ずっと以前からこれまた気にかかっていた、茶寮世々(さりょう ぜぜ)に行きランチと致しました。
この茶寮世々は、元は、興福寺塔頭の世尊院で近年、奈良国際セミナーハウスとして宿泊施設となり、さらに、昨年あたりから茶寮世々として生まれ変わりました。

ランチメニューは、1番メジャーなスパイスカレーに致しました。

カレーと言いましても、先付け、デザートも付いたスパイスたっぷりのタイ風のカレーではじめ頂くお味でした。
とても美味しかったです。

また、従業員の接客も一流でしたし、土曜日のランチタイムでありながら店内は3分の1くらいしか客が入っていなくて、また、その客層もハイソな感じの方ばかりでゆったりと食事が頂けます。
お値段も一流でしたが、お店の雰囲気も一流でした。
観光客でごった返している外とは全く別の世界でした。

食事を済ませて歩いておりましたら、名勝依水園が今日は開園記念日と言う事で、入場料が500円でした。
久しぶりに依水園も散策致しました。(多分、5年以上ぶり)
昨日までの雨で、緑が木々や苔が色を増し美しくキラキラと輝いておりました。

今日は久しぶりの土曜日の休日で、普段近過ぎて行く事の無い所や以前から気になっていたところも行けて、また、大西先生のお席にも行けて本当にキラキラと輝いた充実の奈良の休日でした。

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2024年05月14日

楽しかった東京遠足。

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5月12日、社中の有志を募り、久しぶりに堂後茶道教室の遠足をしました。

今回の遠足な目的は、東京府中市にある茶室「龍生軒」でされている月釜に参加する事と、新宿にあります料亭「柿伝」でお食事をする事にあります。

私は、前日の11日(土)に東京に前入し、いつもの定宿でもあります東京帝国ホテルに泊まりました。
実はこの、東京帝国ホテルのタワー館が来年、建て替えの為に取り壊されます。
今回はその事もあり、あえてタワー館の方に予約をおりました。(どちらかと言うと本館の方が好きなんですが^_^!)
タワー館か正面フロントから結構遠いのです。
でも、これでこのタワー館に泊まるのは最後になると思うので、ゆっくり味わいたいと思います。
また、新たなタワー館に期待致します。

夕刻東京に着きますと、早々とチェックインし、そのまま徒歩で、予約をしておりました
銀座8丁目にあります、天ぷら天亭に夕食を食べに行きました。
帝国ホテルのある日比谷から銀座はすぐ近くになります。
天ぷら天亭は、10数年前から気に入って度々伺っていますが、入り口も小さくわかりにくく、ちょっと「隠れ家」的なお店です。
ネタも揚げる腕前も最高で芸能人なども度々見かけます。

夕食を済ませて、それから銀座〜新宿〜新橋と悪友達と合流しハシゴ酒をして、深夜にホテルに帰った時はフラフラでした。(笑)

翌日は頑張って早起きし、お目当ての朝食バイキングに行きました。
そもそも帝国ホテルが国内で初めてバイキングを取り入れてたホテルです。
流石に、日本一の朝食バイキングです。

さて、朝食を済ませたらいよいよメインイベントである月釜に行く為、府中市に向かいました。

社中の皆さんとは府中市で待ち合わせして、今回は11人の大世帯です。

龍生軒では、立礼席での薄茶、広間(表千家松風楼写)での薄茶、小間での濃茶 の三席ありました。

立礼席では元遠州流の内弟子の方のお点前
広間薄茶席では、表千家流の可愛い子供さんのお点前
小間濃茶席は、龍生軒亭主である江上さん(肥後古流)による直々のお点前でした。

社中の皆さんも大満足で、また、良い勉強にもなった事と思います。

次に11人が向かったのは、東京新宿東口にあります料亭「柿伝」であります。

この柿伝は、表千家とは深いかかわりがあります。

また、私の先生が長年、柿伝に通われ 数江瓢鮎子先生の茶事の修行をされておりました。

私か今日、年間に亘りこれだけの茶事をする事が出来るようになったのは、私の先生やその茶事の師匠、数江瓢鮎子先生の影響無くしては語れません。
その数江先生ゆかりの柿伝にいつか社中を連れて行くのが私の夢でありました。
今回はその夢が叶い本当に嬉しかったです。

柿伝では、11人の大世帯でしたので、残月亭写しの間と、次の間と二間合わせての広間にてお食事を頂きました。
お料理の内容は今更言うに及ばず素晴らしい事でありましたが、それ以上に中居さんの手際の良さに感動しました。
その夜に飛行機や新幹線で帰る者もいるので、2時間で上げて欲しい。と伝えると、11人の客を3人ほどの中居さんで、キッチリと2時間で上げられました。しかも、慌ただしい感じは全く無く。
中居さんと言い、板場さんと言い、流石に柿伝さん。
一流の懐石料理店です。

これもまた、皆さんは私にとりまして、大変良い勉強になりました。

食後、飛行機で帰る者、新幹線で帰る者、さらにもう一泊する者とさまざまに、柿伝前で解散致しました。

私は、、、
と言いますと、もう一泊し、
その夜もまた別の悪友達(東京にも沢山悪友がおり(*^^*)約束がありまして、夜の街へと消えて行きました。

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2024年05月05日

風炉中じまい

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早いもので、ゴールデンウィークとなりました。

皆さん如何お過ごしですか?

私の場合、今年のゴールデンウィークは少し前倒しで4月21日〜23日の2泊3日で沖縄旅行に行きまして、実際のゴールデンウィークの後半などは自宅の大森教室と三五夜プレミアム教室の交互で連続5日間のお稽古で慌しくしております。
しかし、何処へ出かけても人混みのゴールデンウィークに、「市中の山居」でゆったりと生徒さん達とお茶が出来方が私には合っていると思います。
生徒の皆さんも、ゴールデンウィークの最中の一日、市中の山居でほっと心をほぐしにいらっしゃるのも、お茶のお稽古の効養かもしれません。

さて、5月と言えば、茶室の設えも炉から風炉へと変わります。

本来、風炉に変わるきっかけは、「立夏」のあたりが宜しい。と言われております。
今年(2024年)の立夏は、本日5月5日ですが、
前者で申しました通り、ゴールデンウィーク最中はお稽古が詰っておりましたので、
私どもは、今年は5月1日に風炉に変えました。
偶然、今年は5月1日は、「八十八夜」でもありましたし何となく良い感じの初風炉であったかな?
と思っております。

風炉で広間の薄茶運び点前(棚を用いない)の場合、最終の仕舞い付けを「中じまい」と申しまして、茶碗、薄茶器を水指前では無く、点前畳中央の膝前に置き合わせます。

昨日、お稽古をしておりますと、ある生徒さんから「何故、風炉の広間の薄茶運び点前のみ中じまいをするのですか?」と質問がありました。

(毎年5月はこの手の質問がよくあります)

結論から先に申しますが、

諸説あります。

その1
広間の風炉薄茶点前の場合、棚がある時は最後に柄杓、蓋置を飾り付けるなどして、初と終わりに変化を付ける事から、運び点前の場合でも、変化を付ける為「しまい」を中じまいとする。

その2
「しまい」をした時点前座を見た場合、中じまいにした方が、バランスが良い

その3
古くは、台子点前にては、仕舞いは台子の前(中央)に茶器、茶碗を一旦置き合わせた。と言う言い伝えに従い、台子同様広間で行う点前で薄茶点前のみ、運び点前にその形だけ残った。

などなど様々に言われております。

「中じまい」に限らず、お茶の点前には、はじめは何らかの理由があり定められてりたものが、長い年月の間にその理由がわからなくなってしまい、のちの宗匠方がそれぞれの見解で後から理由付けされている事がいくつとなくあります。

まさに、「中じまい」もそれの最たるものだと私は考えます。

しかし、質問をされるくらいお点前に疑問を持たれる。と言うのはそれだけお点前の手順を会得している証拠で、素晴らしいと思います。

昔のお茶の先生は、生徒が質問する事を嫌いました。多分、それは自分の知らない事を聞かれたら困るからでしょうね^_^!

私は、自分の知っている事、知らない事にかかわらず、質問を受けるのが大好きです。

むしろ、質問を受ける事で私自身が向上できるからです。

茶道には終点がありません、
それは「人として人間性」を磨くことも同じでしす。

勉強し続けるから生きている楽しみもあるのかもしれません。

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大森教室

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