2023年05月03日

蔵から私へのギフト

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皆様、今年の大型連休いかがお過ごしですか?

私はと言いますと、茶の湯部分の監修を務めさせて頂いております サロン三五夜での月釜を担当させていただきまして、前半の3日間はそれに費やされました。
その後、束の間の休憩もなく翌日も同じく三五夜でのプレミアム教室でのお稽古を致しました。

今日明日との中2日間は、予定は空きましたが、お茶会で使った道具の後片付けや、風雨で花びらの落ちた庭の掃除や露路の苔の手入れに追われまして、なかなか行楽どころではありません^_^!

最終4日間も毎日お稽古。

まあ、連休が終わりましてからゆっくり出掛けてたいと思います(笑)

さて、1年ぶりに担当させて頂きました三五夜さんでの月釜の様子をすこし当ブログにてお話しさせて頂きたいと思います。

因幡池田家の重臣、荒木家に纏わる本物の鎧兜をこの端午の節句に三五夜で飾る計画がありまして、
それならば。と、二階の広間にて私が月釜をさせて頂く運びとなり今回の事が決まりました。

荒木家の祖先、荒木又右衛門は、奈良の大和郡山藩にも仕えていた事もあり奈良にもご縁があります。

さてさて、一階にその様な立派な物を飾っているものですから、二階での月釜はどんな道具にすれば良いか。。。と考えておりましたが、
いくら考えても、我が家の蔵の中の道具が勝手に増えるはずも無く、端午の節句と初風炉の風情で私に出来るだけの事をすれば良いと思いました。

掛け物だけは何とか、古いものを用意出来る事が出来ました。

徳川家康の小姓で旗本の船越永景の消息であります。(消息とは、昔で言う手紙であります)
その内容は、茶人でもあった船越永景に、越中松山藩主 水谷勝宗が自身の所有する唐物の青磁の鉢と、古裂の鑑定を依頼し、その返事であります。
私自身も古書を全て読む事も不可能でしたので、
「なんでも鑑定団」でおなじみの増田孝先生が鑑定並びに読みくだししたコピーを床に置きました。
そして、その船越永景が好んだ「船越間道」と言う裂地の仕覆を持つ茶入も偶然持っていたので、お濃茶にはその茶入を使う事と致しました。

先程、
「いくら考えても、我が家の蔵の中の道具が勝手に増えない」
と申し上げましたが、
実は、一つだけ「勝手に増えた」ものがありました。

それは、当日 土風炉に用いた灰であります!

25年ほど前に、稽古用の風炉の灰の補いに安い灰を購入したのですが、その灰があまりにもみすぼらしかったので、古い抹茶を水で解いた物で練り直して、樽に入れて蔵の隅に放っておきました。
またまた、今回の事で灰を整理しておりましたらその灰が出て来ました。

恐る恐る樽の蓋を開けたら、カチカチに固まった灰が出てきまして、その大きな塊を園芸用の手鍬で叩き割って、さらに細かい目で振い、さらに乳鉢で微粒子になるまで抵りましたら、目も疑うほどの上質な灰に育っておりました。

そもそも我が家の風炉の灰は、上、中、下の三段階に分けて保管しておりましたが、その灰はまさに「特上」と言うところです。

千家では、初風炉は、土風炉を多く用います。
また、土風炉は、鱗灰と申しましまて特殊な灰型を致しますものですから、灰の良し悪しがかなり目立ちます。
今回は、25年かけて育った素晴らしい灰が蔵から私へののギフトです。

そんなこんなで、今回の月釜も連日全席満員御礼で皆様に喜んでもらえました。

連絡の行楽も宜しいが、
私にとりましては、やはり、この茶の湯の何もかもが何より1番楽しいのかも知れません。

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2023年04月25日

お茶会の準備、着々と?

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早くも桜の季節が去り、間もなく5月の連休の声が聞こえてまいりました。

時々当ブログでも紹介しております、奈良市三条町にある「お茶と古美術の隠れ家サロン三五夜」にて、毎月お茶会が開催されています。
このお茶会は、予約制ではありますが、予約をされると流派や茶道の経験の有無に関係なく誰でも参加できます。
お流儀色にとわられず、作法などもあまり気にせず気軽に正式な茶を頂けます。
気楽な雰囲気でありながら、三五夜さんならではの、正式な茶会としての設えや高級感ある高クオリティのある空間であります。

その毎月あるお茶会の4月は、私が担当する事になりました。

4月と言いましても、4月29日、30日、5月1日の3日間で、まさに、ゴールデンウィークの前半になります。

今回は、三五夜さんの雅楽の繋がりから、非常に貴重な鎧兜を一階のお座敷に展示される運びとなり、
ならば、私が二階の広間にて茶会を。と言う話しの流れから、今回のシギになりました。

丁度、その頃は端午の節句。

それに因んだ道具を色々と考えて皆さまをお迎えしたいと思っております。

また、3日間それぞれに、堂後茶道教室の実力派の男性の生徒さん達に袴姿でお点前をしていただきます。

設えは、やはり風炉でしたいと思っておりまして、今回は、風炉の始まり。つまり「初風炉」でありますから、土風炉にします。
そうなりますと、灰は、あの厄介な「鱗灰」^_^!

鱗灰をするのがとても面倒くさいので、大抵の先生方は鱗灰をされません。
お茶会でも、土風炉に鱗灰はなかなかお目にかかれません。

しかし、我が教室には、灰の名人がおります。
その灰名人は、今や、どんな風炉の灰型も私より上手に押さえてくれます。
(これぞまさに、藍は青より出て藍よりも青し)

今回は、灰も、私のとっておきの風炉の灰を蔵から出して土風炉に入れました。その灰は25年ぶりに使います。

鎧兜を飾る一階には、
同じく三五夜さんにて、生け花教室を持たれている生駒先生が、お花を生けて下さり、鎧兜にさらなる彩りを加えて下さいます。

そんなこんなで、準備にますます力が入ります。

お茶会参加ご希望の方は、隠れ家サロン三五夜さんへ直にお問い合わせ下さい。

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2023年04月10日

森泰輔社中の茶会

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皆さん、お久しぶりでございます。
今年も早、桜の終わる季節にまでなりました。
私も、平均 週に4日ほどのお稽古に加え研究会、茶事などに追われなかなか当ブログを書く事が出来ず申し訳なく思っております。
ブログと平行してインスタグラムもやっておりますが、やはりブログは丁寧に自分の思う事を書きたいと思っておりますのでどうしても遅くなってしまいます(*^^*)

さて、今日は、森泰輔宗匠の社中様のお茶会に招待されまして、森邸に13年ぶりにお邪魔致しました。
森邸は、南海電車天下茶屋駅からすぐのところで、いまなお大阪情緒の残っております。

私が長らくお茶のお稽古をさせて頂き、今ではお茶で身を立てるまでにならせて頂きましたのは、色んな先生方のクントウのおかげであります。
中でも、森泰輔宗匠は、華やかなりし古き良き大阪の「花のお茶」をされていた最後の宗匠であったと思います。
まさにその茶風は、上品にして華やか。それでいていやみ無く、千家の格式と侘びの心がありました。
また、宗匠は人を観る力もお持ちでした。
私がまた若年の時にお声を掛けて頂いて以来、私の最も尊敬し目標となるお茶人であられました。

心の広い私の先生は、そんな私の気持ちを受け止め「森泰輔宗匠からも沢山の事を教えて貰いなさい」と言って下さり、私だけ同門会を大阪支部に移籍する事や、宗匠のお茶会のお手伝いに行く事を許して下さいました。

宗匠もお亡くなりになられ3年近く経った先日、
森社中のある方から、「この度社中の茶会を森邸で開くのでお越し下さい」と一通のダイレクトメールが私のインスタグラムに届きました。
私は、宗匠のお名前を聞いただけで胸がいっぱいになり、泣きそうになりながら、「是非とも出席させて頂きます」と返信致しました。

ガラガラと格子戸を開けると、広さ6畳ほどもある打ち水のされた石のタタキがあり玄関の式台が迎えてくれます。
その内装は、純然なる数寄屋建築でさながら高級料亭か祇園のお茶屋顔負けであります。

上がってすぐの8畳間が受付兼待合になっておりました。
初釜の時、この部屋でお点心を頂いていたのを思い出しました。
当時の初釜にお点心は、大阪花外楼から板前さんが何人もお邸の厨房に入られて、出来たてのお料理を頂いたのを思い出します。
また、初釜で皆様に配られるお土産は、真葛焼の干支の盃でした。
私ものその盃をほぼ十二支集め、自分の茶事に時々使わせて頂いております。

今では、その8畳間にお仏壇が祀られて、私も本日お参りをさせて頂きました。

お茶席は、本日は薄茶の席でありましたが、それは千家家元の残月亭写しの部屋と次の間(6畳)の二間続きの広々としたところにゆったり入らせて頂きました。

お道具は、一部社中の方々の持ち寄りと、宗匠のご愛用の物と合わせてお使いでした。

お点前、亭主とも社中の方がさ務められ、若い御遺族の方がお運びをして下さいました。

本当に久しぶりに「花の茶」を味わいました私は、帰り道に所用でなんばの高島屋に寄ったのですが、ある事を一つ思い出し、7階のダイニングフロアーの「美々卯」にてお蕎麦を食べました。

実は、その昔、堺にあります開口神社の月釜に毎月のように入っておりました頃、毎年12月になりますと、なぜか偶然宗匠と同じ席になり、お茶会の後宗匠が私に「お蕎麦食べに行かへんか〜」と声を掛けて下さり、決まったように堺の美々卯でお蕎麦をご馳走して下さいました。

その時の事を思い出しまして、今日は帰りに美々卯によりまして、私の中では宗匠と一緒にお蕎麦を頂きました。

森泰輔宗匠
私はそんな偉大な宗匠に比べてまだまだ未熟ですが頑張って目標にして参りたいと思っておりましす。

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2023年02月19日

夕ざりの茶事に行ってきました。

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昨日、有名ブロガー「しぇる」こと、i 様宅にお茶事のお招きに預かり、お邪魔して来ました。

しぇる様は、数年前から 
いつか・住もう・京都・2
と言うタイトルでブログを書かれておりまして、そのブログは私どもの業界ではかなりの多くの人に読まれております。
内容は、茶道に纏わる事が中心ですがそれ以外も、歴史、風物、歳時記など本人が触れた内容や日々の暮らしの様子なども書かれております。
奈良もこよなく愛されており、度々来られております。
数年前から三五夜の茶会にもお越し頂いておりまして、そのご縁で私や三五夜店主の黒田氏やお手伝いのA本君を度々御自宅の茶事にもご招待下さいます。
今回は、その3人に加え、黒田氏の友人で数寄者のY氏とで、男ばかり4人の連客となりました。

私と黒田氏は、しぇる様茶事は今回で2回目でしす。

以前、(2年近く前)にお邪魔した時もこのブログに書いたとは思いますが、しぇる様のお邸の内容を簡単にもう一度お話しさせて頂きます。

お邸は、京都の岡崎(平安神宮近く)にあります。

外見は京都の町屋風で、古民家を思わせるような佇まいも共に持ち合わせてたような建物です。
建築は、母屋も茶室も、新進気鋭の若手数奇屋建築士の岩崎さんの設計だそうです。

いかにもお茶の為に建てられた家で、玄関を一歩入ったところからどの部屋も庭も茶室もトイレに至るまで徹底したこだわりで、本当に素晴らしい数寄屋です。

また、どの部屋にもちょっとしたコーナーに至るまで心憎い飾り付けや室礼がしてありました。

今回もご招待に預かったのは、「夕ざりの茶事」
午後3時の席入にて、初炭、懐石を頂きましたら中立。
懐石を頂いている間に少しずつ日が傾きまして、中立に露地に降りると、灯篭にも火が入りすっかり夜咄の風情に変わります。

蝋燭を頼りに後座の席に入りますと、灯明のほのかな明かりと、釜の煮え音と、温かい席中の空気が迎えてくれます。

道具の収集家として名高いしぇる様ですので、普段は私どもが触る事も無いような道具の数々でした。
今回は特に、奈良からの客と言う事で東大寺の修二会を意識した道具や、古い高麗物が中心でありました。
正客は、数寄者のY氏、話しが盛り上がりまして、今回の茶事は5時間以上にも及びました。
しかし、主客全員、まだまだ話し足りないくらい楽しい時間でした。
しぇる様の茶事は、それなりに道具の知識がある方ならその楽しみは何倍にもなると思います。

昨今、懐石料理風の物を出し、適当な茶道具を使った茶事的な事を楽しんでいらっしゃる方もいらっしゃいます。
それはそれで 身近なお茶で良いのてますが
やはり、作法や形は多少の臨機応変があったとしても、亭主と客がそれぞれ真剣に道具を吟味し知識を付けてお互いのスキルをぶつけ合って楽しんでこそ、それが茶事の醍醐味であろうと思います。

今回も大変な勉強になりましたし、楽しい時間を過ごす事が出来ました。

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2023年02月15日

ちょっと美味しいもん

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昨日、三五夜プレミアム教室の初釜にあたる、「新春を寿ぐ会」を済ませまして、私としてのお正月行事は一応のお仕舞いを迎える事が出来ました。

今日は、猛春を思わせる陽気の中、かねてより行きたいと思っておりました、
奈良市三条大宮町3−23にあります。
ビーガン料理のお店 onwa(オンワ)さんでランチを楽しんでおりました。
近所に住む、大森教室の生徒のU野さんにもご一緒して頂きました。

さて、ビーガン料理などと言いましても、どちらかと言うと肉食獣の私にとりましては無縁かと思っておりましたが、onwaさんのオーナー店主と親しくされておられるN島さんが、三五夜プレミアム教室の生徒さんで、かねてよりお店の事やお料理の事やお茶、ケーキに関するお話しを聞かせて頂きいつかわ行きたいと思いまして、今回実現しました。

JR奈良駅西口を出まして、奈良100年会館少し南下した閑静な住宅街の中の一軒がお店です。
昭和の高度経済成長期に建てられた建売りの一般住宅を、とても可愛く小ぢんまりと改装されたお店です。とても素敵です。

メニューは数種類ありましたが、私達は1番ポピュラーなランチセットと、無農薬の和紅茶と、ビーガンのケーキも頂きました。

店の雰囲気はさることらながら、お味も盛り付けの美しさも申し分なく、とても良かったです。
ビーガンと言う事で、本当は味はあまり期待していなかったのですが、それは大計算間違いで、味はしっかりしていて、量もしっかり食べ応えがありながら、動物性が一切無かったせいか、満腹なのに食後の胃がとても楽で身体の中か浄化されたような気持ちになります。

今日はお天気も良かったせいか、お店は満席でしたが、混み具合はその日によるので、予め予約した方が良いかもしれません。

ビーガンと言えば、和式に言えは、精進。

私自身も、度々茶事をする上で いずれは精進にも挑戦したいと思っておりますが、今回のランチでは色んなヒントを得たような気が致します。

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大森教室

〒630-8131奈良市大森町10-1

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